○榛東村文化財保護条例

平成12年3月24日

条例第29号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 榛東村指定重要文化財(第4条―第16条)

第3章 榛東村指定重要無形文化財(第17条―第21条)

第4章 榛東村指定重要有形民俗文化財・榛東村指定重要無形民俗文化財(第22条―第27条)

第5章 榛東村指定史跡名勝天然記念物(第28条―第32条)

第6章 雑則(第33条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法及び群馬県文化財保護条例(昭和51年群馬県条例第39号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で榛東村(以下「村」という。)の区域内に存するもののうち村にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて村民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 榛東村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 榛東村指定重要文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、村の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項及び県条例第4条第1項の規定により重要文化財及び群馬県指定重要文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち村にとつて重要なものを榛東村指定重要文化財(以下「村指定重要文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合においては、この限りでない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行うものとする。

4 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があつた日からその効力を生ずる。

5 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該村指定重要文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 村指定重要文化財が村指定重要文化財としての価値を失つた場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 前条第3項及び第4項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

3 村指定重要文化財について法第27条第1項又は県条例第4条第1項の規定による重要文化財又は群馬県指定重要文化財の指定があつたときは、当該村指定重要文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該村指定重要文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第2項で準用する前条第3項の規定による指定の解除の通知を受けたとき及び前項の規定による通知を受けたときは、所有者は、速やかに、村指定重要文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第6条 村指定重要文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、村指定重要文化財を管理しなければならない。

2 村指定重要文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自らに代わり当該村指定重要文化財の管理の責めに任すべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、村指定重要文化財の所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も、同様とする。

4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。

(所有者の変更等)

第7条 村指定重要文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 村指定重要文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第8条 村指定重要文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者又は管理責任者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第9条 村指定重要文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者又は管理責任者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則に定める場合においては、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。

(修理)

第10条 村指定重要文化財の修理は、所有者が行うものとする。

(管理又は修理の補助)

第11条 村指定重要文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、村は、その経費の一部に充てさせるため、当該村指定重要文化財の所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合において、教育委員会は、管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。

(管理又は修理に関する勧告)

第12条 村指定重要文化財の管理が適当でないため当該村指定重要文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 村指定重要文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を村の負担とすることができる。

4 前項の規定により村が費用の全部又は一部を負担する場合においては、前条第2項の規定を準用する。

(現状変更等の制限)

第13条 村指定重要文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を得なければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合においては、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかつたときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第1項の許可を受けることができなかつたことにより、又は第3項の許可の条件を付せられたことによつて損失を受けた者に対しては、村は、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出等)

第14条 村指定重要文化財を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第11条第1項の規定による補助金の交付、第12条第2項の規定による勧告又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 村指定重要文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。

(調査)

第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、村指定重要文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該村指定重要文化財の現状又は管理若しくは修理の状況について報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第16条 村指定重要文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該村指定重要文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合において、旧所有者は、当該村指定重要文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

第3章 榛東村指定重要無形文化財

(指定)

第17条 教育委員会は、村の区域内に存する無形文化財(法第56条の3第1項及び県条例第23条第1項の規定により重要無形文化財又は群馬県指定重要無形文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとつて重要なものを榛東村指定重要無形文化財(以下「村指定重要無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該村指定重要無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該村指定重要無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知して行うものとする。

(解除)

第18条 村指定重要無形文化財が村指定重要無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除は、その旨を告示するとともに、当該村指定重要無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知して行うものとする。

4 村指定重要無形文化財について法第56条の3第1項又は県条例第23条第1項の規定による重要無形文化財又は群馬県指定重要無形文化財の指定があつたときは、当該村指定重要無形文化財の指定は解除されたものとする。

5 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該村指定重要無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。

6 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第19条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則で定める理由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。

(保存)

第20条 教育委員会は、村指定重要無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、村指定重要無形文化財について自ら記録の作成その他保存のため適当な措置を執ることができるものとし、村は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 第11条第2項の規定は、前項の補助金について準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第21条 教育委員会は、村指定重要無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第4章 榛東村指定重要有形民俗文化財・榛東村指定重要無形民俗文化財

(指定)

第22条 教育委員会は、村の区域内に存する有形の民俗文化財(法第56条の10第1項又は県条例第30条第1項の規定により重要有形民俗文化財又は群馬県指定重要有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとつて重要なものを榛東村指定重要有形民俗文化財(以下「村指定重要有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第56条の10第1項又は県条例第30条第1項の規定により重要無形民俗文化財又は群馬県指定重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとつて重要なものを榛東村指定重要無形民俗文化財(以下「村指定重要無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 第4条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による村指定重要有形民俗文化財の指定について準用する。

3 第4条第3項(告示の部分に限る。)の規定は、第1項の規定による村指定重要無形民俗文化財の指定について準用する。

(解除)

第23条 村指定重要有形民俗文化財又は村指定重要無形民俗文化財が村指定重要有形民俗文化財又は村指定重要無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。

2 第4条第3項から第5項まで及び第5条第5項の規定は、前項の村指定重要有形民俗文化財の指定の解除について準用する。

3 第4条第3項(告示の部分に限る。)の規定は、第1項の村指定重要無形民俗文化財の指定の解除について準用する。

4 村指定重要有形民俗文化財又は村指定重要無形民俗文化財について法第56条の10第1項又は県条例第30条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは群馬県指定重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財若しくは群馬県指定重要無形民俗文化財の指定があつたときは、当該村指定重要有形民俗文化財又は村指定重要無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

5 第5条第4項及び第5項の規定は、前項の村指定重要有形民俗文化財の指定の解除について準用する。

6 第4項の場合の村指定重要無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(村指定重要有形民俗文化財の保護)

第24条 村指定重要有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 村指定重要有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(村指定重要有形民俗文化財に関する準用規定)

第25条 第6条から第12条まで及び第14条から第16条までの規定は、村指定重要有形民俗文化財について準用する。

(村指定重要無形民俗文化財の保存)

第26条 教育委員会は、村指定重要無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、村指定重要無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、村は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 第11条第2項の規定は、前項の補助金について準用する。

(村指定重要無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)

第27条 教育委員会は、村指定重要無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第5章 榛東村指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第28条 教育委員会は、村の区域内に存する記念物(法第69条第1項又は県条例第38条第1項の規定により史跡、名勝若しくは天然記念物又は群馬県指定史跡、群馬県指定名勝若しくは群馬県指定天然記念物に指定されたものを除く。)のうち村にとつて重要なものを榛東村指定史跡、榛東村指定名勝又は榛東村指定天然記念物(以下「村指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 第4条第2項から第5項までの規定は、前項の指定について準用する。

(解除)

第29条 村指定史跡名勝天然記念物が村指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の理由があるときは、教育委員会はその指定を解除することができる。

2 村指定史跡名勝天然記念物について法第69条第1項又は県条例第38条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物又は群馬県指定史跡、群馬県指定名勝若しくは群馬県指定天然記念物の指定があつたときは、当該村指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第4条第4項及び第5項の規定は第1項の指定の解除について、第5条第4項の規定は前項の指定の解除について準用する。

(標識の設置)

第30条 教育委員会は、教育委員会規則の定める基準により、村指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第31条 村指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があつたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(準用規定)

第32条 第6条から第8条まで、第10条から第14条まで、第15条及び第16条第1項の規定は、村指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 雑則

(教育委員会規則への委任)

第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に指定された村指定重要文化財、村指定重要無形文化財及び村指定史跡名勝天然記念物は、この条例の相当規定により指定されたものとみなす。

3 この条例の施行日前になされた指示、勧告等は、この条例の相当規定によつてなされたものとみなす。

榛東村文化財保護条例

平成12年3月24日 条例第29号

(平成12年3月24日施行)

体系情報
第9類 育/第3章 社会教育
沿革情報
平成12年3月24日 条例第29号